LOVEPAIN⑥
「海宝さんがわざわざ僕に電話をくれた理由はね。
きっと、鈴木さんが自分のお仕事について言いにくいと思うからなんだよ」
と言う事は
榊原先生はナツキから聞いて、
私がAV女優だと言う事を知っているのか……
確かに、言わなくて済むのならば、
私はそれを言うつもりは無かった
「――はい。
私はAVの仕事をしていて、
それがストレスになっているのかもしれません」
撮影を重ねる事に、
何も感じなくなっているけど……
それは、心の痛みに慣れて麻痺しているだけで
本当は、平気なんかじゃない
「そうですか。
僕は鈴木さんから聞いた事は誰にも話さないので、
なんでも話して下さい。
どんな事でも」
ナツキにも言わないのだろうか?
別に、ナツキにはなんでも話しているから、
何を言われても構わないのだけど
目の前のこの人に話せば、
楽になるのだろうか……