LOVEPAIN⑥


「――母親は怒るとすぐに、
私の事を嫌いだと言ってて……。

だからか、私は人から嫌われる事が極端に怖くて……」



だけど、みんなが私を嫌っていたり、

あまり好きじゃない事も分かっていたけど、
それに気付かないふりをしていた



信じたくなくて




「それでも、両親の事も周りの友達も、
大好きだと思ってました。
必死に、そうだと思い込んで。

こちらが好きで居たら向こうも私を好きになってくれるんじゃないかって。

いや、ただ単に、
人を嫌いになる事自体が怖かったのかもしれません。
嫌いな人間は自分の味方じゃなくて、
敵だから。

敵を作るみたいで」




高校の卒業式の前日迄


私は、そんな人間だった



ただ、その頃には、
自分を捨てて居なくなった母親に対しては、

もう敵意を抱いていたかもしれないけど



必死で、私は母親よりも父親の味方をしていたから


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