LOVEPAIN⑥
「それは、解離性障害だと思います」
「解離性障害?」
初めて聞く、その名称
「重いものだと、
解離性同一性障害。
俗に言う、二重人格」
二重人格――
そう言われて、
それがどんなものなのかピンと来た
「鈴木さんの場合は、
二重人格と言う程、
解離の症状は重たくはないみたいだけど。
誰にでもあるような、
正常だと思われている範囲よりかは、
少しオーバーしているかもしれないね」
やはり、私は普通じゃなかったんだ
「嫌な事から自分の心を守る為に、
記憶が抜け落ちていたり。
まるで、それが自分に起こった事じゃないように、
客観的に感じたり。
あるいは、違う人格を造ろうとして、
性格が変わったり」
私は頷いて、
榊原先生の次の言葉を待っていた