またね、お姫様
戦争が始まってからは、僕ら、ほとんど会えなかったよね。
僕は学校に行くことすら出来なくなったから、
ただ、君のことを見守っていることしか出来なかった。
いつも、君のことを見てたんだ。君は、きっと、知らないよね。
戦争が始まってから、君はほとんど笑顔を見せなくなった。
そんな君を見ていると、すごく辛かった。
僕は、学校に行けなくて、自分ばかりが辛いような気がしていた。
だけど、君やみんなだって、すごく辛かったよね。
戦争は、たくさんの傷を残す。
もう、この戦争が終わったら、
二度と繰り返さないでほしいと心から願う。
一度、君は、僕の家に来てくれたよね。
あの時は、僕、すごく嬉しかった。
でも、ごめん。
君に迷惑を掛けたくないという思いもあって、
僕は臆病になっていた。
本当は、君と話をしたくてたまらなかったのに。
本当に、ごめんよ。
僕の方が、よっぽど悪かった。
君は、ただ、
みんなに誤解されていただけだったんだ。
本当の君は、
誰よりも思いやりがある、良い子なんだ。
僕は、ずっと、そんな君のことが好きだった。
大好きだった。
君は、あまり知らなかったかもしれないけど、
僕には、君しかいなかった。
君は、僕の生きる世界だった。
もっと、早く、伝えていればよかった。
いろいろと、ごめん。
別れたあの日、
泣いたりして、
格好悪いところ見せて、
本当に、ごめん。
もう、絶対、泣いたりしないよ。
君を守れるような男になりたい。
君のことを、僕は、少しでも守ってあげられたかな。
あんまり、自信がない。
だって、僕は、いつも、
君に励まされていたから。
君の笑顔は、僕に力をくれた。
君は、本当に…僕にとって、お姫様みたいなんだ。
最後に遊んだあの日、
言ったことは、全部本当のことだよ。
君は、すごく驚いていたけど…
あの日、君にいろいろ話せて、本当によかった。
そうだ、他にも…
君に言いたいことがあるんだ。
これからも、君は君らしく、明るく生きていってほしい。
その明るさを出せば、きっと、たくさん友達ができるはずだよ。
そして、楽しい人生を送るんだ。
君の友達は、きっと、僕だけじゃないはずだから。
でも、やっぱり、僕は、君にとって最高の友達であってほしいなぁ。
ワガママ言って、ごめん。
戦争が終わった世界で……君に会いたいなぁ。
また、あの楽しかった日々を過ごしたい。
その願いを胸に、僕は行くよ。