Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 いつも「げんきがでるね!」と言ってくれる。

 歌って人を元気にする力が、きっとあるんだと思う。

 私だって、STAR STARTを始め、いろいろなアーティストの歌を聞いて元気をもらったことがたくさんある。

 律くんと響斗くんは、そんな曲を演奏出来てやっぱりすごいと思う。

 ――だけど。

 彼らがすごいからこそ、「私がボーカルなんて無理」って、やっぱり思っちゃうんだ。

 そんな後ろ向きなことを考えながらも、奏多がいたからいつも通りのふりをする私。

 そして奏多の体と頭を洗ってあげたあと、私達ふたりはお風呂から出た。



 奏多が寝てしまった後。

 私はリビングの隅に置いてあった、家族用のノートパソコンを開いていた。

 お父さんとお母さんは、ふたりでソファに座ってテレビを見ている。

 MyTUBEの画面を開いて、私は「STAR START」と検索をした。

 すると、検索結果にたくさんの動画が出てきた。

 人気順に並んだ動画たちの一位は、もちろん「RE:START」が演奏されているものだ。

 しかし私はそれを開かずに、いくつか下の動画をクリックした。

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