Re:START! ～君のバンドに、入ります～

　私がＳＴＡＲ ＳＴＡＲＴに加入して、一週間が経った。

　土日以外の毎日、私たち三人はここ旧校舎の第二音楽室でバンド練習をしている。

　ちなみに、ここはちゃんと先生に許可を取って使ってるんだって。

　そもそも放課後は使っていない部屋だから、自由に使ってＯＫだそうだ。

　古いピアノや名前もわからない楽器が隅っこに適当に置かれていて、お世辞にもきれいとは言えない部屋だけど……。

　それで、一週間毎日練習しているというのに、私は全然思うように歌えなかった。

　最初に「いいから歌え！」って律くんにいきなり言われて歌った時は、気持ちよく歌えたのに。

　いざ練習を始めたら、なぜかあの時みたいに思い切った歌い方ができなかったんだ。


「別にそんなに焦んなくていいからな」


　ギターの弦をいじりながら、何気ない口調で律くんが言う。

　律くん、ちゃんと話す前までは不愛想で怖い印象しかなかったけれど、こうして深く関わってみると全然そんなことは無かった。

　すぐ感情的になるし、口調も荒いからやんちゃな感じはもちろんあるけれど。