Re:START! ~君のバンドに、入ります~
だから私はその後の練習中、ふたりの顔にお父さんや奏太の顔を重ねてみた。
ここにいるのはうちの家族だって思い込むように。
だけど心のどこかがまだ強ばっているらしくて、残念ながらあんまり上手には歌えなかったんだ。
*
「はあ……」
次の日学校に着くと、私は自分の席に座って深くため息をついた。
なんで律くんや響斗くんの前だと、上手に歌えないんだろう。
歌いたいっていう気持ちはあるし、ふたりは優しいんだから大丈夫!って言い聞かせているのに。
家でだって、MyTubeにアップされている歌が上手になる方法の動画を見て練習したり、響斗くんに教えてもらった腹式呼吸の仕方をやってみたりしているのになあ。
なんてことを考えていると。
「詩ちゃん、おはよー」
私の前の席の沙菜ちんが登校してきて、挨拶をしてくれた。
「おはようー」
「あれ、どうしたの? なんか疲れた顔してない?」
沙菜ちんが少し心配そうに言う。
疲れた顔なんてしてたんだ、私。
最近毎日バンドの練習をして、家でもどうしたら歌を上手に歌えるかをずっと考えているからかな。
ここにいるのはうちの家族だって思い込むように。
だけど心のどこかがまだ強ばっているらしくて、残念ながらあんまり上手には歌えなかったんだ。
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「はあ……」
次の日学校に着くと、私は自分の席に座って深くため息をついた。
なんで律くんや響斗くんの前だと、上手に歌えないんだろう。
歌いたいっていう気持ちはあるし、ふたりは優しいんだから大丈夫!って言い聞かせているのに。
家でだって、MyTubeにアップされている歌が上手になる方法の動画を見て練習したり、響斗くんに教えてもらった腹式呼吸の仕方をやってみたりしているのになあ。
なんてことを考えていると。
「詩ちゃん、おはよー」
私の前の席の沙菜ちんが登校してきて、挨拶をしてくれた。
「おはようー」
「あれ、どうしたの? なんか疲れた顔してない?」
沙菜ちんが少し心配そうに言う。
疲れた顔なんてしてたんだ、私。
最近毎日バンドの練習をして、家でもどうしたら歌を上手に歌えるかをずっと考えているからかな。