Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 みんなには私がバンドをやっていることを内緒にしたいって言ったら、女子の事情を察しているらしい響斗くんは、ふたつ返事でOKしてくれた。

 律くんはよくわかっていないみたいだったけど、もともとクラスメイトにSTAR STARTのことを話していなかったから、「別にいいけど」と了承してくれた。

 これからも、姫奈ちゃんにはバレないように気を付けないと……。


「そうなの? まあ、また暇ができたら遊んでね!」

「う、うん」


 沙菜ちんの言葉に、戸惑いながらも返事をする。

 しばらく練習に専念したいから遊べなそうだ。

 せっかく誘ってくれているのに、なんだか悪い気がする。

 そのうち沙菜ちんには本当のことを言った方がいいのかもしれない。

 なんてことを思っていると、朝の会開始のチャイムが鳴って、同時に担任の溝口先生が入ってきた。

 溝口先生は、二十代後半のまだ若い女性の先生だ。

 普段は優しいけれど、怒る時はちゃんと怒るような人で、みんなからの信頼は厚いと思う。

 日直が号令をかけて、みんなで起立、礼をした後、溝口先生が話を始める。


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