Re:START! ~君のバンドに、入ります~
「RE:START」はまだ始まったばかり
私が律くんや響斗くんとバンドをやっていることが姫奈ちゃんにバレて、数日。
姫奈ちゃんと律くんが以前のような様子で会話しているのを何度か見た。
やっぱり、好きな人には嫌われるのが怖くて、姫奈ちゃんは律くんに謝って許してもらったんだろうなって思う。
だけど私は、あのあと姫奈ちゃんとは一切会話をしていない。
時々睨まれるような気もするし、私が律くんとバンドをやっていることはやっぱり許せないんだろうな。
少し怖いけれど、私は絶対にバンドをやめる気なんてない。
姫奈ちゃんには絶対に屈しないぞ!って毎日思っている。
――それに。
律くんは、あの時こう言ったんだ。
「詩乃は俺たちの大事な仲間だ!」って。
その言葉を思い出せば、姫奈ちゃんなんて怖くないんだって自分に言い聞かせることができた。
ありがとうね、律くん。
ちなみに沙菜ちんや美香ちゃんにバンドのことを詳しく話したら、「すごい! 応援するよ!」と、嬉しそうに言ってくれた。
そんなこともあって、私はますます頑張ろうって思えるようになっていたんだ。
――それに、あの一件以来。
「すごく歌よくなってるじゃんか!」
今日も、いつものように放課後に第二音楽室で集まっている私と律くんと響斗くん。