Re:START! ~君のバンドに、入ります~
 ライブを成功させるためには、やっぱり録音した歌を流す方が確実だ。

 ――そんなことを思っていたら。


「あれ……? ねえねえ、あれって何?」


 音楽室の隅に立てかけられていた、木製のギターとベースが目に入ってきて、私はふたりに尋ねた。

 律くんと響斗くんが普段使っているのは、エレキベースとエレキギター。

 ふたつとも、なんだか近未来的でかっこいいデザインだ。

 でも今見つけたギターとベースは、木でできているためか、どこか温かい感じがする。


「ああ、あれ? あれはアコ―スティックギターとアコースティックベースだよ」

「アコースティック?」

「俺たちみたいなロックではあんまり使わないけどな。エレキより柔らかい音が出るんだ。電気を使わなくても演奏できるから、路上にいる弾き語りの人とかが使ってるな」


 ふたりが使っているエレキギターとエレキベースは、アンプって言う音を増幅させる機械とケーブルをつなげて、電気の力で音を出す仕組みになっているらしい。

 あまり詳しいことはよくわからないけど。

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