君の光と私の輝き。
そんな私と友達になってくれた紬とは、小学校の頃初めて会った。
私が紬の隣の家に引っ越して来てから、人見知りが発動してしまい、転校先の学校ではいつもひとりぼっちだった。

でも紬はそんな私に声をかけてくれた。それから毎日、一緒に遊んでいた。喧嘩した時もあったけど、お互いに謝って解決していた。そのため、今では、なんでも話せる仲になった。

そんな思い出に浸っていると、あっという間に駅に着いた。ICカードを改札の読み取り部にタッチし、ピッという音とともに改札を通る。
何回もやっている動作だが、制服を着て通るのは初めてだから、なんだかわくわくする。

電車に乗り揺られていると、紬が質問してきた。

「優月ー。なんかの部活入るの?」

部活かー。中学校の時は芸術部に入っていたため、運動は出来ない。地面の僅かな段差にもつまづいてしまう。その時は、自分の運動音痴さに絶望する。
それに比べ、紬はどの部活にも入らず、学校が終わるとすぐ帰っていたのに、サッカー・バスケ・テニスなどなんでも出来る。

そんな紬が何部に入るか気になって聞いてみた。

「んー?決まってないかなー。紬は、なんか入るの?」

「うん!サッカー部のマネージャーやろうかなー?って思ってる!あ、そうだ!優月も一緒にやろうよー!」

サッカー部のマネージャー!?

「マネージャー!?ムリムリ!!たしか男子だけだよね?男子嫌いの私には、ムリだって〜」

「そこをなんとか!優月が男子を克服するために!私と一緒に頑張ってみない?」

そう私は男子が嫌いなのだ。
紬は私が男子嫌いなことは、よく知っている。中学1年の時に私がクラスに混じれず、男子にからかわれることがあった。でも紬は、違うクラスなのに私の教室に来て、助けてくれた。
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