レイン。序章
それから、さらに二週間が過ぎた。

この一族は、オアシスから少し離れたこの地に、もうかなりの期間、テントを張って住んでいるようだった。

オアシスには街ができていて、それなりに栄えているが、彼らは伝統的な遊牧民の暮らしを守るつもりのようだった。

要するに、街に定住はしないということらしい。

一族は20人ほどで、4つほどの家族で構成されていた。

女や子供、老人も若者も仲良く生活していた。

俺とメルも、長が事情を説明してくれて、しばらく面倒を見てもらえることになったが、みな快く迎え入れてくれた。
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