レイン。序章
市場は賑わっていた。

石積の白い殺風景な建物が、広い街道の両脇に連なっている。

乾燥地帯なので、街にも薄く砂ぼこりがたっていた。

建物の前には、ところ狭しと露店が出ていた。

薄汚れた麻布を屋根のように張って、日陰を作っていた。

たくさんの人々が、地べたに品物を広げて客を呼んでいた。

俺は駱駝の手綱を引いて、街道を歩いた。
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