レイン。序章
「へい、そこの兄ちゃん。素敵な眼帯してるねえ」

俺はその男を睨みつけて、さらに歩いた。

このごろは片目で歩くことにも慣れてきて、人混みでもぶつからずに歩けるようになっていた。

本当にいろんなものがあるな。

値段もまちまちだし。

しっかりしていないと、ぼったくられてしまうだろう。

一人で市場に来たのは初めてだったので、俺はキョロキョロしながら店を見て歩いた。
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