レイン。序章
二人の旅人は、いとも簡単に殺せた。
食事にサソリの毒を盛ったのだ。
二人の死体は集落の男が砂漠に捨てにいった。
その夜、集落の中央の広場に、集落の全ての住人が集められた。
全部で二十人。みな、怯えた表情をしていた。
俺は、一年前の出来事と、これから起こると予想される出来事について話した。
人々はざわついた。
それが静まるのを待って、サンドラが言った。
「女性と子供は、今すぐここを離れるのじゃ。食料や、最低限の衣服も、他に移す」
「でも、それでは、夫や息子は……」
「そうよ、金目のものを全て置いて逃げれば……」
「それはできん。逃げてもいずれ追いつかれる。狙った獲物は全員殺す……。奴らはそういう盗賊団なのじゃ」
女たちのすすり泣くのが分かった。
食事にサソリの毒を盛ったのだ。
二人の死体は集落の男が砂漠に捨てにいった。
その夜、集落の中央の広場に、集落の全ての住人が集められた。
全部で二十人。みな、怯えた表情をしていた。
俺は、一年前の出来事と、これから起こると予想される出来事について話した。
人々はざわついた。
それが静まるのを待って、サンドラが言った。
「女性と子供は、今すぐここを離れるのじゃ。食料や、最低限の衣服も、他に移す」
「でも、それでは、夫や息子は……」
「そうよ、金目のものを全て置いて逃げれば……」
「それはできん。逃げてもいずれ追いつかれる。狙った獲物は全員殺す……。奴らはそういう盗賊団なのじゃ」
女たちのすすり泣くのが分かった。