レイン。序章
今夜の俺の心は、まるでガラス玉のように静かだ。

神経が研ぎ澄まされているのが分かる。

たとえ右目しか見えなくとも、耳や、皮膚で多くのことを感じ取れる。

復讐の好機だ。

そう思えば思うほど、自分の心はどんどん冷えていった。

目的だけが鮮明に浮かび上がる。

他はもう何も見えない。

寒さも感じない。
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