レイン。序章
星明かりに、濃霧のような砂煙が白々と映し出された。

屈強な男たちが馬を駈って集落に飛び込んできた。

「ヒョウッ!」

先頭の男が片手で手綱を引けば、馬はニ本足で立ってブレーキをかけた。

他の騎馬も彼に倣って止まった。

敵の騎馬は、5騎。

対する俺たちは、7人。

人数では勝っている。

「なんだァ?ずいぶんなもてなしじゃあねえか。あァ?」

先頭の男がゆっくりと剣を抜いた。

ゴートが前面に進み出る。

先頭の男の口元に、悪魔のような笑みが浮かんだ。

「人の部下を殺りやがってよォ」

「卑しい盗人どもが」

「かかれェっ!」
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