レイン。序章
騎馬が一斉に走り出した。

ゴートは身を屈めて物陰に移動した。

ヒュンッ

「ギャッ」

一頭の馬が、前足を上げていなないた。

乗っていた男を振り飛ばし、どっと地面に倒れた。

「よし」

サンドラは新たな矢をつがえると、別の馬に照準を合わせた。

「矢だと……?小癪な!」

ヒュンッ

ヒュンッ

また、別の騎馬が崩れた。

矢を射ているのはサンドラだけではなかった。

俺とゴートを除いた5人は、みな弓矢で戦うことになっていた。

戦闘に使えるような馬を持たない俺たちは、何よりもまず、敵を騎馬から引きずり下ろさなければならないからだ。
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