レイン。序章
俺は姿勢を低くして広場に飛び込んだ。

腰の短剣を抜いて、敵の男に斬りつける。

星の光をうけて、切っ先は細い三日月のような軌跡を描いた。

ふいに、背後からの攻撃。

俺はすかさず剣を水平にして、真後ろまで振った。

敵は腹から内臓をこぼして倒れた。

キン、

キィン、

剣と剣のぶつかる金属的な音がする。

うめき声をあげながら倒れる者がいる。

それが敵か味方か分からないほど、戦場は混乱していた。

俺は一心不乱に短剣を手に舞った。
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