レイン。序章
しかし、盗賊団の強さは歴然としていた。

その圧倒的な実力差を前に、味方は次々とやられていった。

乱闘に一段落がついて、俺は乱れた呼吸を整えながら周囲を見渡した。

味方はほとんどすでに討ち取られていた。

「レイン!」

ゴートが俺の背中に彼の背中を合わせて剣を構えた。

「他の者は?」

「みなやられた。息のある者もいるがもう戦えない」

「サンドラは……」

「無事だ。だが傷を負っている」

俺は大剣を背負い直す。

「ゴート、何人殺りましたか」

「一人だ」

「俺は二人です」

ならば、残党は、おそらく二人。

こちらと同数だ。

そのとき、俺とゴートの十メートルほど先に、ひときわ頑強な騎馬が現れた。
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