俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「古賀さんが僕のことを、友達と思ってくれているのなら……これからは一晴って呼んでよ? 苗字だと、なんだかよそよそしいしさ? 僕、古賀さんともっと仲良くなりたいし」


友達……か。

一之瀬くんといい、前島くんといい、友達だったら名前で呼ぶとか、呼んでという人が多いな。


でも、まぁ……前島くんは、貴重な同じ趣味の友達だし。


「分かった。一晴……くん」


男子のことを下の名前で呼ぶのなんて、初めてかもしれない。だから、ちょっと照れる。


「嬉しいな。僕も、美月ちゃん……って呼んで良い?」

「うん、いいよ」


きっと、深い意味はない。友達だから……ってだけ。


「ありがとう。それじゃあ、図書室も閉まる時間だし、そろそろ行こうか?」


いつの間にか図書室の窓の外から見える空は、オレンジと青色が混ざり合っていた。


私は図書室を出て、前島く……じゃなくて、一晴くんと一緒に昇降口へと向かった。


< 139 / 341 >

この作品をシェア

pagetop