俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
◇信じてみる
「ちょっと! 一之瀬くん!?」
一之瀬くんは、無言で強引に私の手を引いていく。
そして、校舎裏までやってくると……。
私は壁に背を押しつけられ、一之瀬くんはドン! と私の顔の真横に手をついた。
一之瀬くんの顔が近づいてきて、心臓が波打つ。
「なぁ。なんで前島と2人で図書室なんか行ってんの?」
「なんでって、言われても……。一晴くんは、とっ、友達だし」
そもそも、図書室で偶然会っただけなんだけど。
「その、一晴くんって呼び方……気に入らねぇ」
逃げ場を奪うように、一之瀬くんは腕で私を囲う。
「なぁ、美月。俺がお前を好きだってこと、ちゃんと分かってる?」