俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「……わっ、分かってない。い、一之瀬くんが私のことを好きだなんて、そんなの最初から遊びで言ってるんでしょう?」
違う。ほんとは、こんなことを言いたいわけではないのに。
──『また中学のときみたいに、嫌な目に遭いたいの?』
今日の日中、成宮さんと学校の廊下ですれ違ったときに突然、そんなことを言われた。
『朝陽くんが、じみつきなんかを本気で相手にするわけがないでしょう?
構ってもらえてるからって、勘違いしないで。調子にのらないで。
また中学のときみたいに、嫌な目に遭いたいの? もし、あんたがいじめられたくなかったら……朝陽くんには近づかないで』と。
別に、調子にのってなんかいないのに。こんなの、脅しと一緒だ。
成宮さんに耳元で突然、普段よりもすごく低い声で言われて。身体が震えて、怖くなった。
だから……。