俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「俺に話せそうなら、昔何があったか話してみてよ? もし今も話すのが無理なら……話してくれなくても構わないけど」
4月の始業式の帰り道にも、一之瀬くんに成宮さんとのことを話してみてと、言われたことを思い出した。
こんなにもずっと、自分のことを想ってくれている人になら……話しても良いかな。
たまに意地悪だけど優しくて、いつも私に真っ直ぐな一之瀬くんのことを、信じてみようと思った。
勇気を出して、1歩踏み出してみようと思った。
一之瀬くんだから……話したいと思った。
「あの、中学の頃の話なんだけど。一之瀬くん……聞いてくれる?」