俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
◆一目惚れ〜朝陽side〜
キーンコーン……。
「授業始めるぞー、席つけよー」
チャイムが鳴ると同時に、1限目の教科担当の、50代の小太りのおっさん先生がやってきた。
「授業、だる……」
俺は、ボーッと机に頬杖をつく。
昨日で1学期の中間テストが終わったけど。
テスト勉強でここ最近寝不足が続いていたからか、どうもやる気が出ない。
「おい、一之瀬!」
「!」
教科担当の原先生にいきなり名前を呼ばれ、肩が跳ねた。
「一之瀬、お前。今は数学の授業中なんだが? 英語の教科書なんか出して……そんなに数学がやりたくないのか?」
……は? あ、やべ。
1限目って、数学だったのか。ボーッとしてて俺、英語の教科書出してたわ。
「はは。教科書、間違えました。原先生、すいませーん」
俺は急いで、机の中に英語の教科書をしまう。
えーっと、数学の教科書……。
俺は、机の中をゴソゴソと探すが、見当たらない。カバンの中にもなく。
……しまった。家に忘れたか?