俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
美月が、床に落ちた俺の消しゴムを拾ってくれる。
「……はい、朝陽くん」
消しゴムを渡してもらうときに、美月の手が俺の手に、微かに触れた。
「サンキュー、美月」
もっと触れたいと思った俺は、消しゴムを受け取る際に、美月の手をギュッと握った。
指を1本1本しっかりと絡めて。
恋人つなぎってやつ。
もちろん机の下のほうで、先生からは見えない位置で繋ぐ。
「あ、さひくん……っ!」
目を丸くする美月。
ふっ。ただでさえ大きな目が、更に大きくなっちゃって。驚いた顔も、ほんと可愛いな。
美月の白くて柔らかな手は、じんわりとあたたかい。
「もう! 授業中だよ!?」
小声で、怒ったように言う美月。
「手、繋ぎたかったから、繋いだんだけど。悪い?」