俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


俺って案外、プレッシャーに弱かったんだな。


しかもここ数日睡眠不足だからか、頭が痛い。あー、いてて。頭痛薬持って来たら良かった。それに、なんだかクラクラする。


頭をおさえながら、そんなことを考えていたとき……。


「あのー、いきなりすいません。大丈夫ですか?」

「……はい?」


隣の席のメガネの女の子が、突然俺に声をかけてきた。よく見ると、めっちゃ可愛い。


「いや、ちょっと顔色悪そうだったので。体調大丈夫かな? と、少し気になって」


この子、試験前なのに俺の心配してくれてる?


「受験って、緊張しますよね。あの、良かったらこれ……頭痛薬です」

彼女が俺の机の上に、市販の錠剤を置いてくれた。


……なんで? 俺は、彼女に首を傾ける。


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