俺が好きなのは、ずっとお前だけ。

…────────


そして、俺は無事に第1志望だったこの高校に合格し、今に至る。


言ってみれば美月は、俺の恩人だよな。
大袈裟かもしれないけど。

美月がくれた薬のおかげで、頭痛も治まったし。もらった飴のおかげで、元気出たから。


多分……美月は俺と違って、高校受験のときのことなんて、もう忘れてるんだろうなぁ。



俺は、美月の横顔を見つめる。


高校1年のときは、美月と別のクラスだったから、なかなか話しかけるチャンスがなくて、ただ見ているだけだった。


けど……何人かの男子が、密かに美月に好意を寄せているらしいことを、耳にしたから。

これは、うかうかしてはいられないと思った。


それで、告白はまだ早いと思いつつも、高校1年の春休み前に美月に思い切って告白した。結果はダメだったけど。


そして高校2年になり、念願叶って美月と同じクラスになれた。たまたま隣の席になって、話しかけるようになって。

ようやく俺にも、チャンスが巡ってきたと思った。


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