俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「一之瀬、よそ見してたから。次、お前な。問3の次の応用問題を、前に出て来てやってみなさい」
くそ、当てられた。まぁ、美月を見ていた俺が悪いんだろうけど。
俺は席を立って黒板の前まで行き、チョークを手にすると、応用問題を解いていく。
数学は俺、けっこう好きなんだよな。
「うん。正解だ。さすがだな、一之瀬」
よっしゃ! 正解すると、やっぱり嬉しいもんだな。思わず黒板の前でガッツポーズする俺。
「一之瀬くん、すごいー!」
「さっすがー!」
クラスの女子の声が聞こえる。
美月のほうを見ると、目が合った。
もしかして俺のこと、見ていてくれたのか?
俺の問いに答えるかのように、美月が俺を見て頷いてくれる。
そんな美月に、俺の胸がきゅんとした。