俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
◇諦めない
一之瀬くんに中庭に呼び出されて告白されたあと、私は急いで教室まで戻ってきた。
昼休みは、残り15分弱。
残りあと数ページの文庫本を、この昼休み中に読み切ってしまおうと思っていたのに。
計画が狂ってしまった。
私、古賀 美月。
読書が好きな、普通の高校1年生。
小学校高学年の頃から徐々に視力が落ちてきて、今では常に度が強めの黒縁メガネをかけている。
一度も染めたことのない黒の長い髪の毛は、ヘアアレンジすることなく、いつも下ろしたままだ。
制服のブラウスのボタンも、一番上まできっちり留めて。スカートは、膝丈まである。
今まで学校に遅刻したことも、校則を破ったこともない。
どちらかというと、真面目なほうだと思う。
私が自分の席に着き、机の中にしまっていた文庫本を取り出し、読んでいると……。