俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「朝陽くん、やば。かわいぃ……」
ん? かわいい……?
「いや、つい心の声が。分かった。良いよ。私で良ければ、図書館付き合うよ?」
「まじ? っしゃー!」
ビンゴ! 俺の読み通り。
「というわけで、ごめんね? 七星。今日は一緒に帰れないや」
「いいよ、みっちゃん。最近ほんと仲良いよね、一之瀬くんと」
「えっ!」
ニコニコ顔の新川さんに言われて、美月が頬を赤らめている。
「ねぇねぇ、七星ちゃん! 良かったら、今日は俺と一緒に帰らない?」
どこからか急に現れた真宙が、新川さんに元気よく声をかけている。
「え、いいの? 七星ちゃん。よっしゃあ! ……なぁ、朝陽。今日はお互い頑張ろうな?」
想いを寄せる新川さんと一緒に帰れることになったらしい真宙が、俺に耳打ちしてくる。
「ああ。そうだな」
美月とふたりで学校以外のどこかに行くのは初めてだから……これはある意味チャンスだよな。しかも、制服デート……!
よし、頑張るか。
俺はひとり、グッと拳を握った。