俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
それから朝陽くんと、隣り合わせで図書館の読書スペースに座って本を読む。
ひたすら静かな時間が流れる。
聞こえるのは、本のページをめくる際の紙の音だけ。
まさか、あの朝陽くんと一緒に読書する日が来るなんて。
朝陽くんは黙々と、私がさっき勧めた駅伝の小説を読んでいる。
学校ではなかなか見ることのない、朝陽くんの読書する姿。
読書に集中している真剣な目、表情。
良いなぁ。
横顔からでも分かる、整った綺麗な顔立ちは、何度見てもかっこいい。
朝陽くん、私が勧めた小説を面白いって思ってくれると良いなぁ。
って、私さっきから朝陽くんのことばっかり考えてる。
「美月……あっ!」
何か話そうとした朝陽くんが、先ほど注意されたことを思い出したのか、口を閉ざした。
そしてルーズリーフを取り出し、シャーペンで何か書いている。