俺が好きなのは、ずっとお前だけ。

◇恐怖



翌朝。私は朝陽くんに傘を返すため、いつもよりも早めに登校してきた。


昇降口のところでしばらく待っていると、一晴くんがやって来た。


「おはよう、美月ちゃん」

「あ。おはよう、一晴くん」

「あれ? 美月ちゃん。その傘って、男物の傘だよね?」

「う、うん。昨日、朝陽くんに借りたんだ」


「“ 朝陽くんに ” ……か。へぇー」


私の持っている傘をじっと見る、一晴くん。


「おう。そうだよ、前島。俺が昨日、美月に貸したの」


うわ、朝陽くん! いつの間に来てたの!?


って、あれ? 朝陽くん今日、マスクしてる。珍しいな。


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