俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「そもそもどうして朝陽くんは、こんなパッとしない、地味でブスな女が好きなの!? どう考えても可笑しいでしょう。あんたと朝陽くんじゃ、不釣り合いすぎる」
「そうそう。可愛い茜ならまだしも。古賀さんは、ないわー」
「……!」
言葉の刃がグサグサと、胸に刺さる。
ブスとか何とか。そんなに何度も言われたら、さすがに傷つく。
朝陽くんと私が不釣り合いだなんて、言われなくても分かっているけど……。
成宮さんたちに言われて……なぜか今日はいつも以上にショックだった。
「茜この前、あんたに言ったよね?」
怖い顔の成宮さんが、じりじりと距離をつめてくる。
「 『朝陽くんには近づかないで』って。それなのに、まだ朝陽くんの周りをウロチョロしてるなんて……あんた、目障りなんだよ!」
私が階段の踊り場を少しずつ後ろに下がっていくうちに、とうとう端まで来てしまった。
ここから後ろに1歩下がると、下りの階段に差しかかる。
これは、非常にまずい……。
身体がさあっと冷え、背中には嫌な汗が伝う。