俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「美月っ!」
「美月ちゃん!!」
階段の上と下の両方から、ほぼ同時に声が聞こえた。
女子たちが弾かれたようにそちらを向く。
階段の上のほうには、朝陽くん。
階段の下のほうに、一晴くんが立っていた。
「美月がお茶を買いに行ったきり、なかなか戻ってこないから来てみたら……成宮お前ら、何やってるんだよ!?」
「ほんと。複数人で1人の子を相手にするなんて。それに、美月ちゃんは何も悪くないだろ?」
「前島の言うとおり。文句があるなら、美月じゃなく俺に言いなよ?」
朝陽くん、来てくれたんだ! 一晴くんも……!
一晴くんもだけど、特に朝陽くんの顔を見た瞬間、すごくホッとしている自分がいる。
「何なの!? 朝陽くんだけでなく前島くんまで、この子のことを……! ほんとムカつくんだよ! あんたさえいなければ……っ!」
──ドンッ!
私は、顔を真っ赤にした成宮さんに、肩を思い切り押された。
うそ……!
私は、バランスを崩し──。
「きゃ……」
身体が後ろに倒れていく……。
怖い、嫌だ……落ちるーー!