俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「……ねぇ、古賀さんいるかな?」
え、王子様。今、私の名前を言った?
それと同時に、女子の視線が一斉にこちらへと向く。
うぅ……注目されるの嫌なのに。
「あ! 古賀さん。いたいた」
一之瀬くんが周りの女子をかき分けて、私のほうへと歩いて来る。
うそ!? こっちに来るの?
「みっちゃん。一之瀬くんの邪魔しちゃ悪いから、あたし帰るね」
そう言って、七星が自席へと戻っていく。
え!? ちょっと……!
七星がいなくなったら、一之瀬くんと2人になるじゃない。そんなの気まずいって!
1人になった私は、慌てて文庫本を開く。