俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
◇大事な友達
日曜日。空はスッキリと晴れ渡っていて、日差しが強い。
梅雨入り前の貴重な晴れ間だと、テレビで気象予報士の人が言っていた。
休日の今日はメガネじゃなく、コンタクト。
そして白の半袖ブラウスと、薄ピンクのシフォンプリーツスカートという格好だ。
先日、自分磨きにやる気の出た私は今日、七星と会う約束をしている。
ランチのあと、七星にメイクの手ほどきを受けることになっている。
七星はいつもメイクがすごく上手だから、一度ちゃんと基本から教えてもらいたいと思って。
待ち合わせの噴水広場まで来たけど、少し早かったかな。七星との待ち合わせ時刻まであと20分ある。
待ってる間、スマホでも見ておこうかな。
スマホで写真投稿アプリを開くと、目に飛び込んできたのは、最近新しくお店がオープンし、SNS上で話題になっているスムージー。
ドリンクの表面に色彩豊かなアートが描かれている、アートスムージーだ。
確かお店は、この近くのはず。
ずっと気になっていたから、私も一度行ってみたいんだよね。
そんなことを考えながら、スマホから顔を上げると──。
ひとりの男がジロジロとこちらを見ながら、近づいてきているのが分かった。