俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「朝陽くん、“ 俺に関わらないほうが良い ” って言ってたんじゃ……」

「は?」


しまった。余計なこと言っちゃったかな?


「んー……」


朝陽くんが、何やら考え込む。


「まぁ……それと今は別だ。ナンパされたすぐあとで、お前をひとりにできるかよ。
やっぱ……心配だから」


え、うそ。朝陽くん、私を心配してくれてるの?


朝陽くんがふいっと、そっぽを向く。


……朝陽くん。耳が少し赤くなってる。


ねぇ、朝陽くん。


私を心配してくれるってことは、学校では避けられているけど、まだ私に少しでも気があるのかな? って、期待しちゃうよ?


そもそも朝陽くんはどうして、私を避けてるの? 一体、何があったの?


もし、私に何か問題があるのなら、直すよ?


それに……どうして今は、学校にいるときよりも口数が多いの? 嬉しいことだけど。


この機会にと、朝陽くんに聞きたいことが山ほどあるけど。

やっぱり余計なことを言って嫌われたくなくて、結局口を噤む。


無駄に嫌われるよりも今は……少しでも長く朝陽くんと一緒にいられるほうが良い。


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