俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「ていうか、カラオケより……美月のほうが大事だしな。つーか、私服姿可愛すぎ」
「……なに? 朝陽くん」
「……何でもない」
独り言なのかボソボソ言ってて、朝陽くんが何を言ったのかよく聞こえなかった。
ていうか、朝陽くんの私服姿初めて見た。
ボーダーのTシャツと黒のデニムパンツ。
シンプルだけど、かっこいい。
左耳のピアスも……今日は黒のピアスなんだ。
朝陽くんの私服姿を見られただけで、すでに良い休日になったなって思える。その上、困ってるところを助けてもらえたし。
「みっちゃーん! ごめん、待った……って、あれ? 一之瀬くん!?」
しばらくして、七星が慌ててやって来た。
朝陽くんが一緒で驚いたのか、七星の目がまん丸だ。
「新川さん、美月のこと頼むわ」
「え!? あ、うん」
七星が待ち合わせ場所に来ると同時に、朝陽くんは足早に去って行ってしまった。