俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
◆必要不可欠な存在〜朝陽side〜
美月と距離を置くと決めてから、1ヶ月が経った。
気づけば、もう6月後半。
梅雨入りしてからは、俺の心と同じようにどんよりとした曇り空の日が続いている。
毎日蒸し暑くて、気分までじめじめする。
今は、学校の昼休み。
「朝陽! 購買行こーぜ」
「おう」
俺は、真宙と昼飯を買うため購買部へと向かう。
「あ! 一之瀬くんだぁ」
「今日もかっこいいー!」
廊下を歩くと、何人かの女が俺のところへ近寄ってくる。
「朝陽くん、今週末遊びに行かない?」
「あー、ごめんね? 週末は予定あるからパスしとく」
俺は愛想笑いを浮かべ、近寄ってくる女子たちを適当に流しながら廊下を進む。