俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


美月と距離を置くようになってから俺は、以前のように女子から告白されることが増えた。


俺が美月にしょっちゅう構ってたときは、少し落ち着いてたけど。


……たとえ、他の女にどれだけモテたとしても。何人もの女に『好き』だと言われても。


自分が本当に好きな女から、『好き』だと言ってもらえないと、何も意味がない。


『美月と距離を置く』
『関わらない』


そう決めたのは、俺自身だ。


最初から分かっていたことだけど。
好きでたまらない美月と、以前のように気軽に接することができないのはかなりキツい。


学校で美月の顔を見ると、話しかけたい衝動に駆られるのを必死に我慢して。


美月から話しかけられたときは、内心飛び跳ねたいくらい嬉しかった。


つい、いつものように色々と話してしまいそうになるから、何度席を立ったことか。


そっけない、冷たい態度をとってごめんな? 美月。


本当は、お前にそんな態度取りたくないのに……。


『身を引く』と決めたからには、今まで通りってわけにはいかないだろうから。


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