俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「え?」


後ろから声が聞こえた、と思ったら。


突然、背後から伸びてきた大きな手が、ぐいっと私を引き寄せた。


ふわっと香る、柑橘系の香り。

私の大好きな人の、匂い……。


「はぁ……探したんだからな? 美月のこと」


「あ……さひくん!?」


私は、息を切らせた朝陽くんに後ろから抱きしめられる。


どっ、どうして朝陽くんがここに?


「なぁ。さっきの告白の返事の最後のところ、聞こえちゃったんだけど……美月、好きな奴いるってマジ?」


朝陽くんが、私を後ろから抱きしめたまま聞いてくる。


さっきの告白現場、朝陽くんに見られていたの!?


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