俺が好きなのは、ずっとお前だけ。
「私が好きな人は……朝陽くん」
どうしよう。ついに、言ってしまった。
「ほんとに?」
「うん、ほんと。私は……朝陽くんが好き。
今日の放課後、朝陽くんにそのことを伝えようと思って、ルーズリーフを下駄箱に入れたの」
「まじ? 俺、美月のことになるとほんと余裕なくなって、カッコ悪……。
そっか。美月が俺のことを……やっべぇ」
朝陽くんが、照れたように目を伏せる。
「まさかこれ……夢じゃないよな? 美月が俺のことを好きって。
だってずっと、こうなって欲しいって思ってたから。もし夢なら……覚めないで欲しい」
「夢じゃないよ? 朝陽くん」
私は、朝陽くんの顔が見えるように、朝陽くんの正面へと身体の向きをくるっと変える。
ドキドキするけど、勇気を出して……。
ちゃんと朝陽くんに、自分からもう一度改めて気持ちを伝えよう。
「私は、朝陽くんのことが好きです。大好きです」
「美月……」
「こんな私じゃ、王子様みたいにかっこいい朝陽くんと、釣り合うかどうか分からないけど。良かったら……っ!?」
私の腕が、ぐっと引かれた。
朝陽くんとの距離が縮まり、近づいた顔に胸が高鳴る。
「“ こんな私 ”とか……俺の好きな子のことを、そんなふうに言わないでくれる?
俺と釣り合うかどうかなんて、他の奴が決めることじゃない。俺が決める。
俺は……美月が良い。美月じゃないとダメなんだ」