俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「うん、実は。ごめん……」

「マジかぁ。ちょっとそれショックだわ」


朝陽くんが、ガクッと肩を落とす。


申し訳ないけど、あのときの朝陽くんは、今の朝陽くんとは似ても似つかない感じだったから。


黒髪にメガネで、ピアスももちろんしていなくて。

例えるなら一晴くんのような、真面目男子って感じに見えた。


今の朝陽くんとは、見た目と雰囲気がまるで違ったから。


今日言われるまで、まさか同一人物だとは1ミリも思わなかった。


当時、朝陽くんの名前も聞いていなかったし。


もしかしたら、朝陽くん=明るい人。緊張なんてしなさそうな人。


っていうふうに、自分の中で決めつけていたのかもしれない。


人は見た目だけで決めつけたら、本当に駄目だよね。


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