俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


う、うそでしょ!? この人、私の模試の結果を勝手に見てる!?


「ちょっ……! 人の模試の結果を、勝手に見ないでくれますか!? 拾ってくれたことには、感謝しますけど!」


なんてデリカシーのない人!


「あー、わりぃ。たまたま見えてしまったから。その、C判定」


そこまで見たなんて、最低!


恥ずかしさから、私の頬が一気に熱くなるのが分かる。


ああ、なんだか頭がクラクラしてきた。


私は、ふらふらと近くのベンチに腰掛ける。


「ねぇ、隣良い?」

「え!? なんでですか!?」


私たち、今日が初対面でしょう!?


それなのに彼は、あろうことか私の座っているすぐ隣に腰掛けた。


ベンチは公共の物だから、私が拒否することはできないけど。


「いや、なんだかキミ、落ち込んでそうだからさ。気になっちゃって。ちょっと手、出して?」

「……?」


私は、見ず知らずの彼に言われるがまま、手を差し出した。


< 272 / 341 >

この作品をシェア

pagetop