俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


そっか。だから、高校1年の春休み前に、朝陽くんが私に告白してきてくれたとき。


朝陽くんの太陽みたいな笑顔を見て、どこか懐かしい気がしたのは……過去に、その笑顔に惹かれたことがあったからだったんだ。


ようやく合点がいった。


「あーでも、なんでそんな大事なこと今まで忘れてたんだろう」


朝陽くんが項垂れる。


そういうことって、したほうは忘れても、されたほうは覚えてるって言うしね。


いじめ……とかもだけど。親切にされたこととか、善意もきっとそう。


朝陽くんにとってあれはきっと、何気ないことだったんだろうな。そう考えると朝陽くんって、ほんとに優しくて良い人なんだなと思う。


「美月。俺たち、高校受験の日よりも前に、すでに出会ってたんだな。今日までずっと、そのことを覚えていてくれてありがとう」


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