俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「朝陽くんこそ。中3の夏休みのあの日、私に声をかけてくれて。励ましてくれて、ありがとう」


今ようやく……およそ2年越しに、あのときのお礼が言えた。


もしもあのとき、私が模試の結果の用紙を落としてなかったら。


朝陽くんと関わっていなかったら……。


また違う未来になっていたかもしれない。


あの日、朝陽くんに出会えて本当に良かった。人との出会いって、奇跡だね。



「私、朝陽くんからもらった飴と、あの言葉のおかげで、諦めずに最後まで頑張れたよ。
朝陽くん。受験の頃から今日までずっと、私のことを想い続けていてくれて……ありがとう」


「当然だろ? 俺、最初に美月に告白したあとも諦めなくて、良かった。だからきっと、今があるのかなって。
美月、俺のことを好きになってくれて……ありがとう」


お互いに 『ありがとう』を言い合い、微笑み合う。


「なんか、俺たちは出会うべくして出会ったのかな? って思ってしまうな。こういう言葉を口にするのは少し恥ずかしいけど、これはもう俺たち……運命じゃね?」


朝陽くんは私の、運命の人……そうかもしれない。


「言っとくけど、ここで終わらねぇからな?
美月を好きって気持ちは、これからもまだまだずっと続くから」


腰を抱き寄せられ、吐息がかかる距離で見つめられる。


「これからがスタートだ。お前のこと、たくさん愛してやる」


< 282 / 341 >

この作品をシェア

pagetop