俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「…ぷはっ、」


何秒経ったのか分からないくらい長いキスののち、ようやく唇が解放された。


昨日付き合い始めたところだから、まだクラスメイトの誰にも交際のことは話してなかったけど……。


あっ、朝陽くん、何もこんな皆の前で言わなくても。その上、キスまでするなんて……。


顔から出火しそうなほど、恥ずかしい。


しかも、昨日の少し触れるだけのキスよりも、明らかに時間が長かった。


思い出して、頬がまたカッと赤くなるのが分かる。ああ、これはもう穴があったら入りたい……ここから逃げ出したい。



「いいか? もし俺の大事な美月に何かしたら、男だろうが女だろうが……この俺が許さないから」


どうしよう。恥ずかしさでいっぱいだけど。


『俺の大事な美月』って、こんなにもハッキリと皆の前で言ってもらえると……。


やっぱり恥ずかしさよりも、嬉しさのほうが大きい。


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