俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


駅に着き、少し歩いて朝陽くんとの待ち合わせ場所である噴水広場に行くと。


「キャー!」

「かっこいいー」


何やら、ちょっとした人だかりができていた。


「お兄さん、超かっこいいー」

「今、おひとりですか?」

「あの、連絡先だけでも……」


何人かの女の人の輪の中心にいる男の人。


あれって、もしかして……。


「あ! 美月!」


その人は私を見た途端、パッと花が咲いたような笑顔になる。


やっぱり、朝陽くん……!


学校以外でもモテるなんて、さすが……!


でも、彼が他の女の人に囲まれているのを見ると、胸がモヤモヤする。


朝陽くんは……私の、なのに……。


「おはよ! みつ」

「おはよう、朝陽くん。待った?」

「全然。みつを待ってる間も、幸せだったし。それよりみつ、会いたかった……!」


──ぎゅっ。


朝陽くんは私の元へとやって来るなり、人目もはばからず、いきなり真正面から私を強く抱きしめた。


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