俺が好きなのは、ずっとお前だけ。


「どうして?」

「だって……他のヤツに見せたくない。みつのことを独占したいって、思ってしまう」

「そっ、そんな……っ」


朝陽くんの言葉に、カーッと頬が熱くなる。



「はは、みつ。ほんとすぐ顔赤くなるな」

「そっ、そういえば。朝陽くんも、髪型変えたんだね」

「ああ。夏だし、ちょっと気分転換に?」


ストレートだった髪はゆるくウェーブがかっていて、暗めのブラウンに染められている。


「前が明るかったから、今度は暗めの髪色にしてみた。どう?」

「うん。前とまた違った雰囲気で、落ち着いててかっこいい」


そして、見るのが2回目の朝陽くんの私服姿。


白シャツに、黒のスキニーパンツ、薄手のカーディガンを羽織っていて。


シンプルだけど、かっこよく着こなしていて。


つい見とれてしまう。


「朝陽くん、すごくかっこいい。何でも似合うね」

「サンキュ。みつ。やっぱりお前にそう言われると、一番嬉しい。あ、バッグ持つよ」

「え、悪いよ」

「俺が持ちたいの。それじゃあ行こっか?」


朝陽くんが私の手を取り、指をひとつずつしっかりと絡めると、ふたり並んで歩き始めた。


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